動詞は「遊ぶ」「食べる」などの動作や「いる」「ある」などの存在を表す品詞で、活用して語尾が変化します。
動詞の活用の仕方は全部で5種類あります。活用形の意味がわかれば、活用の種類も見分けやすくなります。
- そもそも活用形って何?
- 動詞はどんな風に活用するの?
- 五段活用・上一段活用・下一段活用の区別ができない
という方は参考にしてください。
動詞と活用形
動詞は「食べる」「遊ぶ」「いる」などの動作や存在を表す用言で、言い切りの形がウ段になるものです。
活用形には未然形、連用形、終止形、連体形、仮定形、命令形の6種類があります。
活用形 | 後に続く語 |
---|---|
未然形 | ~ない、~う・よう |
連用形 | ~ます、~た、~て、読点(、) |
終止形 | ~句点(。)、~と、~そうだ |
連体形 | ~とき、こと、~の、~ようだ |
仮定形 | ~ば |
命令形 | ~句点(。) |
例えば「泳ぐ」という動詞なら、
- 泳がない、泳ごう…未然形
- 泳ぎます・泳いだ…連用形
- 泳ぐ…終止形
- 泳ぐとき…連体形
- 泳げば…仮定形
- 泳げ…命令形
のように活用します。
上の「泳ぐ」の例だと、変化していない「泳(およ)」の部分は語幹といい、活用している赤字の部分を活用語尾(語尾)といいます。活用のしかたは動詞によって異なります。
終止形と連体形の違いに注意
動詞の終止形と連体形は同じ形なので、区別がつきにくい場合があります。
終止形は句点(。)が続く形ですが、他にも助詞の「と」、助動詞の「そうだ」が続くことがあります。
連体形は体言(こと、ときなど)が続く形ですが、他にも助詞の「の」、助動詞の「ようだ」が続くことがあります。
- 彼は東京にいると聞きました。(「いる」は終止形)
- 彼は東京にいるそうだ。(「いる」は終止形)
- 彼は東京にいるようだ。(「いる」は連体形)
- あそこにいるのが私の兄です。(「いる」は連体形)
動詞の活用の種類
動詞の活用には以下の5種類があります。
・五段活用(読む、走る、知る、泳ぐなど)
・上一段活用(着る、起きる、降りる、信じるなど)
・下一段活用(教える、捨てる、食べる、寝るなど)
・カ行変格活用(来る)
・サ行変格活用(する、勉強する、愛するなど)
動詞の活用 五段活用
五段活用では未然形(ア段・オ段)、連用形(イ段)、終止形(ウ段)、連体形(ウ段)、仮定形(エ段)、命令形(エ段)のように活用します。活用するとき、語尾がア・イ・ウ・エ・オ段すべてに活用します。
五段活用の動詞には「泳ぐ」「走る」「話す」などの動詞があります。
基本形 | (語幹) | 未然形 -ない・う |
連用形 ーます・た |
終止形 | 連体形 ーとき |
仮定形 ーば |
命令形 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
泳ぐ | およ | が・ご | ぎ・い | ぐ | ぐ | げ | げ |
走る | はし | ら・ろ | り・っ | る | る | れ | れ |
読む | よ | ま・も | み・ん | む | む | め | め |
「泳ぐ」の活用語尾を見ると(イ音便以外)すべてガ行で始まっているので、ガ行五段活用と呼ばれます。「走る」はラ行五段活用、「読む」はマ行五段活用です。
五段活用では音便がある!
五段活用の連用形では、イ音便(い)、促音便(っ)、撥音便(ん)に変化することがあります。
- イ音便 … カ行・ガ行五段動詞(例)聞いた、泳いだ
- 促音便 … タ行・ラ行・ワ行五段動詞(例)走った、買った
- 撥音便 … ナ行・バ行・マ行五段動詞(例)読んだ、噛んだ
動詞の活用 上一段活用
上一段活用では、活用するときイ段からすべて始まります。未然形(イ段)、連用形(イ段)、終止形(イ段+る)、連体形(イ段+る)、仮定形(イ段+れ)、命令形(イ段+ろ、イ段+よ)のように活用します。
上一段活用の動詞には「着る」「起きる」「降りる」などの動詞があります。
基本形 | (語幹) | 未然形 -ない・う |
連用形 ーます・た |
終止形 | 連体形 ーとき |
仮定形 ーば |
命令形 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
着る | ○ | き | き | きる | きる | きれ | きろ・きよ |
起きる | お | き | き | きる | きる | きれ | きろ・きよ |
降りる | お | り | り | りる | りる | りれ | りろ・りよ |
「着る」「起きる」はカ行上一段活用、「降りる」はラ行上一段活用です。
動詞の活用 下一段活用
下一段活用では、活用するときエ段からすべて始まります。未然形(エ段)、連用形(エ段)、終止形(エ段+る)、連体形(エ段+る)、仮定形(エ段+れ)、命令形(エ段+ろ、エ段+よ)のように活用します。
下一段活用の動詞には「教える」「寝る」「食べる」などの動詞があります。
基本形 | (語幹) | 未然形 -ない・う |
連用形 ーます・た |
終止形 | 連体形 ーとき |
仮定形 ーば |
命令形 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
教える | おし | え | え | える | える | えれ | えろ・えよ |
寝る | ○ | ね | ね | ねる | ねる | ねれ | ねろ・ねよ |
食べる | た | べ | べ | べる | べる | べれ | べろ・べよ |
動詞の活用 カ行変格活用
カ行変格活用(カ変)をする動詞は「来る」のみです。
基本形 | (語幹) | 未然形 -ない・う |
連用形 ーます・た |
終止形 | 連体形 ーとき |
仮定形 ーば |
命令形 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
来る | ○ | こ | き | くる | くる | くれ | こい |
動詞の活用 サ行変格活用
サ行変格活用(サ変)の動詞は「する」あるいは勉強する、調節するのような「~する」のみです。
基本形 | (語幹) | 未然形 -ない・う |
連用形 ーます・た |
終止形 | 連体形 ーとき |
仮定形 ーば |
命令形 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
する | ○ | さ・し・せ | し | する | する | すれ | しろ・せよ |
活用の種類の見分け方
まずカ変、サ変の動詞は限られているのですぐに判断できます。
- 来る→カ変
- する、~する→サ変
問題はその他の五段活用、上一段活用、下一段活用ですが、それらを見分けるには未然形に注目します。
「ない」をつけたとき、「ない」の直前の文字がア段ならば五段活用、イ段なら上一段活用、エ段なら下一段活用となります。
- 遊ばない→「ば」はア段だから五段活用
- 飽きない→「き」はイ段だから上一段活用
- 食べない→「べ」はエ段だから下一段活用
【問題編】動詞の活用種類と活用形
1.下の活用表を例にならって完成させなさい。(「答え」をクリックすると答えが見られます。)
基本形 | (語幹) | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 仮定形 | 命令形 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
食べる(例) |
た | べ | べ | べる | べる | べれ | べろ・べよ |
読む | |
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切る | |
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見る | |
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見える | |
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来る | |
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する | |
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2.次の下線部の動詞の活用の種類と活用形を、例のように答えましょう。
例 お昼ご飯を食べよう。→ バ行下一段活用、未然形
問1 日程を調整したが、無理のようだ。
問2 もうこの服は着ないだろう。
問3 明日来れば、結果がわかるよ。
問4 自分の力を信じろ。
問5 彼は寝るのがいつも遅い。
問5 今日は走らないの。
まとめ
活用形と動詞の活用の種類について確認してきました。
基本的な見分け方
- カ変・サ変は覚える
- その他 →「ない」の前がア段なら五段、イ段なら上一、エ段なら下一
活用形の意味がわかれば、各活用のしかたも覚えやすくなります。
五段活用の連用形でのイ音便・促音便(っ)・撥音便(ん)と、終止形と連体形の区別にも注意してください。