中学国文法 助詞の識別「さえ」まとめと問題

文法(現代文)
スポンサーリンク

今回は助詞「さえ」の識別問題です。

テストでケアレスミスさえなければ…なんて悔しい思いをしたことがあるかもしれませんが、このときの「さえ」はどのような意味で使っているのでしょうか。

「さえ」の主な3つの意味・用法と見分け方のポイントを確認、練習問題に取り組んでみましょう。

助詞「さえ」の意味・用法

副助詞の一つ「さえ」は添加、類推、限定の意味があります。もともとは「添え」という言葉が語源になっています。

添加の「さえ」

「さえ」は付け加えるときに使われます。「~までも」と言い換えることができます。

・風が強くなってきただけでなく、雨さえ降ってきた。

・行方をくらまし、友人どころか親兄弟さえ会うことはなかった。

古文では「さへ」といい、昔からよく使われている表現です。しかし現在ではこの意味で使うことは少なくなってきています。むしろ次に説明する類推や限定の意味で使われることが多いです。

類推の「さえ」

類推の「さえ」は「~すら」と言い換えることができ、はっきり書いて(言って)いなくても他の事実も示しているとき、強調して例をあげるときに使われます。添加とも似ていますが、極端なことがらを例示して他のことも類推できるのが添加との違いです。

・留学の話は家族にさえ話していない。(他の人、友人にも話していないことが推理できる。)

・具合が悪く、歩くことさえできない。(走ることもできない、日常生活で不便していることもほのめかしている。)

限定の「さえ」

仮定の表現とともに用いて、「~だけあれば」「せめて~ば」の意味で用いられます。「~さえなければなあ」と言ったりしますが、この「さえ」も限定の「さえ」になります。

・何か飲み物さえあれば良いのだけど。

・あと1問さえ合っていれば合格だったのに。

✲✲✲助詞の一覧表もあります↓↓✲✲✲

関連記事:中学国文法 助詞の種類と格助詞の覚え方

助詞「さえ」の見分け方

副助詞「さえ」の識別・見分け方のポイントをまとめました。

・「せめて~ならば」と言い換えられ、「さえ~ば」の形 → 限定

・「~までも」と言い換えられる → 添加

・「~すら」と言い換えられる → 類推

添加も「~すら」と言い換えてもおかしくないですが、類推は「~までも」と言い換えるとおかしな響きになることがあります。

また 添加は「付け加え」なので「Aがない上に、Bさえない」のような形になるのもポイントです。

それでは上のポイントをもとに、次の問題を解いてみましょう。

【問題編】助詞「さえ」の識別

問1 次の下線部「さえ」と同じ用法で使われているものを、あとのア~ウから選び記号で答えなさい。

(1) あとは食器さえそろえば完成だ。

ア お金さえあればいい。

イ お金さえどうでもよく感じる。

ウ 周囲のことだけでなく、お金さえ関心がない。

(2) 冷えてきただけでなく、雪さえも降ってきた。

ア 雨さえ不機嫌の原因になる。

イ 雨さえ降れば休みになる。

ウ 日も暮れた上に雨さえ降ってきた。

(3) うちの弟でさえその漢字が読める。

ア 先生さえ来てくれれば解決できるのだが。

イ 学校には生徒がまだ来ていなかった上、先生さえもいなかった。

ウ 先生さえ解けない問題らしい。

まとめ

「さえ」の3つの意味・用法である「添加・類推・限定」の区別はできるようになったでしょうか。特に限定は「さえ~ば」のように条件の形になるので、わかりやすいです。

類推は「~すら」、添加は「~までも」と言い換えられますが、どちらも「さえ」の直前のことを強調し、似ているので混乱しやすいです。

添加では「Aが~だけでなくBさえ~」のように他のことが直前に書いてある一方、類推の場合は「Aさえ~だ」(Bも~だ)と他のことははっきり書いてなくて「ほのめかしている」のが特徴です。

見分け方のポイントと例文や問題の文を見比べて確認すれば、「さえ」の区別ができるようになるでしょう。

タイトルとURLをコピーしました