今回は古文動詞のナ行変格活用(ナ変)に関するまとめと、活用表の問題です。
ナ行変格活用になる動詞は「死ぬ」「往ぬ(去ぬ)」のみです。現在ではナ行変格活用はありません。
変則的な活用をする、ナ行変格活用の活用のしかたを確認しておきましょう。
古文動詞 ナ行変格活用(ナ変)
ナ行変格活用の動詞は、な・に・ぬ・ぬる・ぬれ・ねと活用します。ナ行変格活用になる動詞は「死ぬ」「往(い)ぬ」のみです。現代語ではナ行変格活用はありません。
「往ぬ(去ぬ)」は「去る」「死ぬ」などの意味があります。今はあまり使われない言葉ですが、西日本の方言では残っています。
「死ぬ」「往ぬ」ともに近世で四段活用に、後に五段活用になりました。
ナ行変格活用の活用表
ナ行変格活用の活用表です。未然形は「ず」、連用形は「たり」、連体形は「とき」、已然形は「ども」に続く形です。
語 幹 |
未 然 形 |
連 用 形 |
終 止 形 |
連 体 形 |
已 然 形 |
命 令 形 |
|
死ぬ | 死 | な | に | ぬ | ぬる | ぬれ | ね |
往ぬ | 往 | な | に | ぬ | ぬる | ぬれ | ね |
「な・に・ぬ・ね」の四段にわたって活用していますが、四段活用とも異なる変則的な活用になっています。
ナ行変格活用動詞の活用形
ナ行変格活用の動詞は、次のように活用します。
・死ぬ+ず → 死なず(未然形)
・往ぬ+ば → 往なば(未然形)
※「未然形+ば」で順接の仮定条件(もし~ならば)
・去ぬ+けり → 去にけり(連用形)
・死ぬ+けむ →死にけむ(連用形)
・死ぬ+べし → 死ぬべし(終止形)
・往ぬ+らむ →往ぬらむ(終止形)
・死ぬ+とき → 死ぬるとき(連体形)
・死ぬ+ども → 死ぬれども(已然形)
・往ぬ+ば → 往ぬれば(已然形)
※「已然形+ば」で順接の確定条件(~ので)、偶然条件(~と)など
・往ぬ→ 往ね(命令形)
【問題編】動詞のナ行変格活用
問1 ナ行変格活用の活用表の空欄を埋めましょう。
語 幹 |
未 然 形 |
連 用 形 |
終 止 形 |
連 体 形 |
已 然 形 |
命 令 形 |
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死ぬ | |
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往ぬ | |
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問2 [ ]内の現代語の意味になるように、( )内の動詞を活用しなさい。
(1) ( 死ぬ )ば [もし死ぬならば]
(2)( 往ぬ )ば [行ってしまうので]
(3)( 死ぬ )とき [死ぬとき]
まとめ
・ナ行変格活用は「な・に・ぬ・ぬる・ぬれ・ね」
・ナ行変格活用は「死ぬ」「往ぬ(去ぬ)」のみ
・連体形で四段・五段活用と混同しないように