今回は古文動詞のカ行変格活用(カ変)に関するまとめと、活用表の問題です。
カ行変格活用になる動詞は「来(く)」とその複合語のみです。現在でも「来る」はカ行変格活用になっていますが、終止形、命令形が異なっているところです。
カ行変格活用の活用のしかたを確認しておきましょう。
古文動詞 カ行変格活用(カ変)
カ行変格活用の動詞は、こ・き・く・くる・くれ・こよと活用します。カ行変格活用になる動詞は「来(く)」とその複合動詞のみです。複合動詞には「出(い)で来」「参(まう)で来」などがあります。
カ行変格活用の活用表
カ行変格活用の活用表です。未然形は「ず」、連用形は「たり」、連体形は「とき」、已然形は「ども」に続く形です。
| 語 幹 |
未 然 形 |
連 用 形 |
終 止 形 |
連 体 形 |
已 然 形 |
命 令 形 |
|
| 来 | ○ | こ | き | く | くる | くれ | こよ |
| 出で来 | 出で | け | け | ける | ける | けれ | けよ |
口語の「来る」と異なるのは終止形、命令形です。
カ行変格活用動詞の活用形
カ行変格活用の動詞は、次のように活用します。（「来」は「こ、く、き」の読み方があります）
・来(く)＋ず → 来(こ)ず（未然形）
・参で来(く)＋ば → 参で来(こ)ば（未然形）
※「未然形＋ば」で順接の仮定条件（もし～ならば）
・来(く)＋たり →来(き)たり（連用形）
・来(く)＋けむ →来(き)けむ（連用形）
・来(く)＋らむ → 来(く)らむ（終止形）
・出で来(く)＋べし →出で来(く)べし（終止形）
・参で来(く)＋こと → 参で来(く)ること（連体形）
・来(く)＋ば → 来(く)れば（已然形）
※「已然形＋ば」で順接の確定条件（～ので）、偶然条件（～と）など
・来(く) → 来(こ)よ（命令形）
【問題編】動詞のカ行変格活用
問1 カ行変格活用の活用表の空欄を埋めなさい。語幹がない場合は○を入れなさい。（答えは▼をクリックして見られます）
| 語 幹 |
未 然 形 |
連 用 形 |
終 止 形 |
連 体 形 |
已 然 形 |
命 令 形 |
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| 来 | |
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問2 ［ ］内の現代語の意味になるように、（ ）内の動詞を活用させてひらがなで答えなさい。
(1) （ 来 ）ば［もし来るならば］
(2)（ 来 ）ば［来るので］
(3)（ 来 ）［来なさい］
まとめ
・カ行変格活用は「こ・き・く・くる・くれ・こよ」
・カ行変格活用は「来(く)」とその複合動詞（「出で来」「参で来」など）
