【中学受験・中学国語】二字熟語の構成 種類と例・問題

熟語
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中学受験、中学国語や検定試験でも扱われる「二字熟語の構成(組み立て)」にはどのような種類があるのか、種類分けの考え方についてまとめました。

「二字熟語の構成がどの種類になるのか問題の答えを見てもよくわからない」とお悩みの人に役立つ記事となっています。

熟語の構成はコツをつかめば得点しやすい分野です。二字熟語の構成の考え方や例に目を通し、問題を解いて理解できたかをチェックしてみてください。

二字熟語の構成(組み立て)の種類と見分け方

二字熟語の構成(組み立て)には次のような種類があります。

二字熟語の構成の種類

  1. 意味が似た漢字を組み合わせた熟語(例 岩石)
  2. 対になる漢字を組み合わせた熟語(例 寒暖)
  3. 上の字が下の字を打ち消している熟語(例 未定)
  4. 上下で修飾・被修飾の関係になる熟語(例 清流)
  5. 下の字が上の字の目的語・補語になる熟語(例 読書)
  6. 上下で主語・述語の関係になる熟語(例 雷鳴)
  7. 同じ漢字を重ねた二字熟語(例 山々)
  8. 接尾語がついた二字熟語(例 美化)
  9. 故事成語の二字熟語(例 矛盾)
  10. 略語の二字熟語(例 国連)

よく問われるのは1~6のタイプです。

二字熟語の場合、ほとんどの人が1~3のタイプは見分けやすいようです。4~6が厄介ですが、ひらがなを補って上から下に読める(清流⇒清らかな流れ、雷鳴⇒雷が鳴る)のは4と6のタイプです。2つの漢字の間に主語の「~が」を補うことができれば6のタイプです。

5は漢字を下から上に読めるタイプです。(読書⇒書物を読む、着席⇒席に着く、のように)

コツさえつかめば知らない熟語でない限り答えられるようになるでしょう。

二字熟語の構成(組み立て)の種類と例

二字熟語の構成(組み立て)の種類ごとにどのような熟語があるのか、熟語の構成の考え方もあわせて確認していきましょう。

意味が似た漢字を組み合わせた二字熟語

意味が似ている漢字を組み合わせてできた二字熟語があります。

例えば「寒冷」のそれぞれの漢字は「寒い」「冷たい」と訓読みで読むことができますが、どちらも似たような意味です。

このような熟語の構成である二字熟語は下記のとおり。

  • 安穏(あんのん)
  • 隠匿(いんとく)
  • 隠蔽(いんぺい)
  • 永久(えいきゅう)
  • 恩恵(おんけい)
  • 温暖(おんだん)
  • 絵画(かいが)
  • 学習(がくしゅう)
  • 隔離(かくり)
  • 河川(かせん)
  • 岩石(がんせき)
  • 陥没(かんぼつ)
  • 緩慢(かんまん)
  • 寒冷(かんれい)
  • 奇怪(きかい)
  • 犠牲(ぎせい)
  • 基礎(きそ)
  • 脅威(きょうい)
  • 携帯(けいたい)
  • 堅固(けんご)
  • 減少(げんしょう)
  • 行進(こうしん)
  • 幸福(こうふく)
  • 誤謬(ごびゅう)
  • 娯楽(ごらく)
  • 錯誤(さくご)
  • 山岳(さんがく)
  • 思考(しこう)
  • 邪悪(じゃあく)
  • 赦免(しゃめん)
  • 出発(しゅっぱつ)
  • 辛苦(しんく)
  • 辛酸(しんさん)
  • 柔軟(じゅうなん)
  • 選択(せんたく)
  • 潜伏(せんぷく)
  • 増加(ぞうか)
  • 装飾(そうしょく)
  • 恥辱(ちじょく)
  • 超越(ちょうえつ)
  • 彫刻(ちょうこく)
  • 墜落(ついらく)
  • 停止(ていし)
  • 媒介(ばいかい)
  • 悲哀(ひあい)
  • 比較(ひかく)
  • 扶助(ふじょ)
  • 変換(へんかん)
  • 返還(へんかん)
  • 崩壊(ほうかい)
  • 妨害(ぼうがい)
  • 豊富(ほうふ)
  • 幼稚(ようち)
  • 漏洩(ろうえい)
  • 老衰(ろうすい)

対になる漢字を組み合わせた二字熟語

意味が対になっている漢字を組み合わせてできた二字熟語には、例えば左右寒暖などがあります。似た意味の漢字を組み合わせた熟語とともに、比較的わかりやすい熟語の構成でしょう。

このような二字熟語の例は下記の通りです。

  • 哀歓(あいかん)
  • 因果(いんが)
  • 栄枯(えいこ)
  • 往復(おうふく)
  • 開閉(かいへい)
  • 緩急(かんきゅう)
  • 乾湿(かんしつ)
  • 寒暖(かんだん)
  • 吉凶(きっきょう)
  • 起伏(きふく)
  • 及落(きゅうらく)
  • 強弱(きょうじゃく)
  • 虚実(きょじつ)
  • 去就(きょしゅう)
  • 屈伸(くっしん)
  • 苦楽(くらく)
  • 好悪(こうお)
  • 功罪(こうざい)
  • 高低(こうてい)
  • 呼応(こおう)
  • 左右(さゆう)
  • 縦横(じゅうおう)
  • 衆寡(しゅうか)
  • 授受(じゅじゅ)
  • 出没(しゅつぼつ)
  • 首尾(しゅび)
  • 上下(じょうげ)
  • 真偽(しんぎ)
  • 親疎(しんそ)
  • 送迎(そうげい)
  • 粗密(そみつ)
  • 損得(そんとく)
  • 諾否(だくひ)
  • 男女(だんじょ)
  • 抑揚(よくよう)

上下で修飾・被修飾の関係になる二字熟語

上の字が下の字を修飾(説明)している熟語です。

例えば曲線がこのタイプの熟語にあたります。曲線は上の「曲」の字が下の「字」を修飾しており、ただの線ではなく「曲がっている線」を意味します。

「□○」という二字熟語があるとき、「□な○」「□の○」「□に○する」のような送り仮名をつけられれば、このタイプになります。

このような構成である二字熟語の例は下記のとおりです。

  • 暗示(あんじ)
  • 屋外(おくがい)
  • 屋内(おくない)
  • 温泉(おんせん)
  • 概観(がいかん)
  • 仮定(かてい)
  • 過程(かてい)
  • 奇遇(きぐう)
  • 机上(きじょう)
  • 既成(きせい)
  • 貴賓(きひん  身分の高い客を表す。「賓」は客の意味。)
  • 急逝(きゅうせい)
  • 強風(きょうふう)
  • 曲線(きょくせん)
  • 虚像(きょぞう)
  • 偶発(ぐうはつ)
  • 鶏卵(けいらん)
  • 傑作(けっさく)
  • 厳封(げんぷう)
  • 後退(こうたい)
  • 黒板(こくばん)
  • 互譲(ごじょう)
  • 最悪(さいあく)
  • 再会(さいかい)
  • 最高(さいこう)
  • 実施(じっし 際に行すること。)
  • 俊足(しゅんそく)
  • 上空(じょうくう)
  • 上流(じょうりゅう)
  • 深紅(しんく)
  • 辛勝(しんしょう)
  • 新年(しんねん)
  • 直線(ちょくせん)
  • 直角(ちょっかく)
  • 微笑(びしょう)
  • 頻発(ひんぱつ)
  • 併記(へいき)
  • 猛獣(もうじゅう)
  • 洋画(ようが)
  • 予知(よち)
  • 酪農(らくのう)
  • 廉価(れんか 廉は値段が安いこと。)
  • 和食(わしょく)

下の字が上の字の目的語・補語になる二字熟語

下の字が上の上の字の目的語・補語になる二字熟語では、最初の漢字が動詞として使われています。

例えば着席は「く」という意味になり、「着く」は動詞です。送り仮名を補って訓読みをしたときに下⇒上(二字目⇒一字目)と読めればこのタイプです(打ち消しの語は除きます)。

「□○」という二字熟語があるとき、「○を□する」「○に□する」のように送り仮名をつけられれば、このタイプになります。

このような熟語の構成である二字熟語の例は以下のとおりです。

  • 握手(あくしゅ)
  • 越冬(えっとう)
  • 閲兵(えっぺい 整列した軍隊を国家の元首や司令官が見回ることを指す。)
  • 懐疑(かいぎ 「懐」はいだく、思うの意味がある。)
  • 開門(かいもん)
  • 加熱(かねつ)
  • 観劇(かんげき)
  • 求人(きゅうじん)
  • 享楽(きょうらく 「享」は身に受けることを意味する。)
  • 在宅(ざいたく)
  • 止血(しけつ)
  • 修業(しゅうぎょう)
  • 殉難(じゅんなん 国や宗教などの理由で身を犠牲にすること。)
  • 叙勲(じょくん)
  • 除湿(じょしつ)
  • 洗顔(せんがん)
  • 潜水(せんすい)
  • 造幣(ぞうへい)
  • 遭難(そうなん)
  • 脱帽(だつぼう)
  • 徹夜(てつや)
  • 登校(とうこう)
  • 読書(どくしょ)
  • 渡米(とべい)
  • 忍苦(にんく)
  • 避難(ひなん)
  • 閉店(へいてん)

上下で主語・述語の関係になる二字熟語

上の字が主語、下の字が述語になっているものです。

例えば日没なら「する(沈む)」ことを、頭痛なら「い」ことを意味し、一字目の漢字が主語、二字目の漢字が述語になっています。

「□○」という二字熟語があるとき、「□が○する」「□が○だ」のように送り仮名をつけられれば、このタイプになります。

このような二字構成の熟語は下記のとおりです。この種類の二字熟語はそれほど多くありません。

  • 円高(えんだか)
  • 円安(えんやす)
  • 官営(かんえい)
  • 官製(かんせい)
  • 県立(けんりつ)
  • 国営(こくえい)
  • 国立(こくりつ)
  • 骨折(こっせつ)
  • 私立(しりつ)
  • 市立(しりつ)
  • 地震(じしん)
  • 神授(しんじゅ)
  • 人造(じんぞう)
  • 頭痛(ずつう)
  • 天授(てんじゅ)
  • 都立(とりつ)
  • 日没(にちぼつ)
  • 日照(にっしょう)
  • 年少(ねんしょう)
  • 年長(ねんちょう)
  • 腹痛(ふくつう)
  • 雷鳴(らいめい)

上の字が下の字を打ち消している二字熟語

無、不、非、未、否などの打ち消しの語が最初に使われている二字熟語です。打ち消しに使われる語は限られているので、他の熟語の構成と区別しやすいです。

無、不、非、未、否+〇 → 上に打ち消しの語がついた二字熟語

無で始まる熟語

  • 無益(むえき)
  • 無休(むきゅう)
  • 無限(むげん)
  • 無効(むこう)
  • 無罪(むざい)
  • 無償(むしょう)
  • 無粋(ぶすい)
  • 無理(むり)
  • 無類(むるい)

不で始まる熟語

  • 不安(ふあん)
  • 不穏(ふおん)
  • 不遇(ふぐう)
  • 不肖(ふしょう)
  • 不詳(ふしょう)
  • 不審(ふしん)
  • 不明(ふめい)
  • 不利(ふり)
  • 不惑(ふわく)

未で始まる熟語

  • 未開(みかい)
  • 未刊(みかん)
  • 未完(みかん)
  • 未婚(みこん)
  • 未熟(みじゅく)
  • 未然(みぜん)
  • 未定(みてい)
  • 未満(みまん)
  • 未明(みめい)
  • 未来(みらい)

非で始まる熟語

  • 非常(ひじょう)
  • 非情(ひじょう)
  • 非行(ひこう)
  • 非道(ひどう)
  • 非凡(ひぼん)
  • 非力(ひりき)

同じ漢字を重ねた二字熟語の例

(くりかえし)が使われることが多いです。

  • 刻々(こっこく、こくこく)
  • 散々(さんざん)
  • 時々(ときどき)
  • 人々(ひとびと)
  • 山々(やまやま)

接尾語がついた二字熟語の例

性、的、然、化などの接尾語がついた二字熟語です。(これらの語がついていても、必ずしもこの熟語の構成とは限りません。例:変化など)

  • 性がつくもの … 理性(りせい)、知性(ちせい)、急性(きゅうせい)、個性(こせい)
  • 的がつくもの … 知的(ちてき)、端的(たんてき)、美的(びてき)、私的(してき)
  • 然がつくもの … 自然(しぜん)、偶然(ぐうぜん)、整然(せいぜん)、漫然(まんぜん)
  • 化がつくもの … 美化(びか)、硬化(こうか)、難化(なんか)、鈍化(どんか)

故事成語の二字熟語の例

  • 圧巻(あっかん)
  • 杞憂(きゆう)
  • 助長(じょちょう)
  • 推敲(すいこう)
  • 蛇足(だそく)
  • 矛盾(むじゅん)

略語の二字熟語の例

  • 国体 … 国民体育大会
  • 国連 … 国際連合
  • 短大 … 短期大学
  • 特急 … 特別急行
  • 日銀 … 日本銀行
  • 入試 … 入学試験

二字熟語の構成を五十音順で調べたい方は次の記事をご覧ください。

二字熟語の構成一覧表【五十音順で検索】
二字熟語の構成の一覧表を五十音順で作成しました。この二字熟語はどの熟語の構成(組み立て)に分類されるのか、調べたい方に。

【問題編】二字熟語の構成を考える!

問1 次の(1)~(10)の熟語の構成は、ア~カのどの熟語の構成と同じか、記号で答えましょう。(答えは▶をクリック)

(1) 観劇 (2) 洋食 (3) 悲哀 (4) 否決 (5) 功罪 (6) 過程 (7) 日没 (8) 潜水 (9) 非常 (10) 辛苦 (11) 忍苦 (12) 深紅

ア 雷鳴 イ 開閉 ウ 読書 エ 無理 オ 岩石 カ 再会

問2 次の熟語の構成と同じものをア~ウから選びましょう。

(1) 変化

ア 美化

イ 変換

ウ 変身

(2) 理性

ア 偶然

イ 異性

ウ 道理

まとめ

二字熟語の構成について確認してきました。

二字熟語の構成(組み立て)の種類

  1. 意味が似た漢字を組み合わせた熟語(例 岩石)
  2. 対になる漢字を組み合わせた熟語(例 寒暖)
  3. 上の字が下の字を打ち消している熟語(例 未定)
  4. 上下で修飾・被修飾の関係になる熟語(例 清流)
  5. 下の字が上の字の目的語・補語になる熟語(例 読書)
  6. 上下で主語・述語の関係になる熟語(例 雷鳴)
  7. 同じ漢字を重ねた二字熟語(例 山々)
  8. 接尾語がついた二字熟語(例 美化)
  9. 故事成語の二字熟語(例 矛盾)
  10. 略語の二字熟語(例 国連)

特に4、5、6で迷う人が多いようですが、送り仮名をつけながら考えるとわかりやすいでしょう。5は漢字の読みがひっくり返る(下から読む)、6は雷が鳴るというように「が」を入れることができます。修飾・被修飾がわかりづらければ上から読めるのに主語の「が」を入れられなければ4と考えると良いでしょう。

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