故事成語は昔中国であった出来事、古典に書かれた出来事をもとに生まれた教訓、会話や文章で使われている表現です。
矛盾、圧巻、蛇足、臥薪嘗胆…などの故事成語が有名です。中学入試や高校入試レベルの故事成語をまとめたので、入試対策・テスト対策などにお役立てください。
故事成語一覧
中学受験生や中学生が覚えておきたい故事成語をまとめました。
故事成語 | 意味 |
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圧巻(あっかん) | 作品の中で最もすぐれた部分。全体の中で最もすぐれた部分。 |
羹に懲りて膾を吹く(あつものにこりてなますをふく) | 以前の失敗を受けて必要以上に用心すること。 |
石に漱ぎ流れに枕す(いしにくちすすぎながれにまくらす) | 負け惜しみが強いこと。 |
烏合の衆(うごうのしゅう) | 規律や統制がない、寄せ集めの集団のこと。 |
燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや(えんじゃくいずくんぞこうこくのこころざしをしらんや) | 小人物には大人物の大きな志がわからないこと。 |
温故知新(おんこちしん) | 過去のことを学び新たな知識や見解を身につけること。 |
隗より始めよ(かいよりはじめよ) | 大きな事業を始めるならまず身近なことから始めるべきだということ。(平凡な私を重用すれば、自然と優れた人物が集まってくると隗が王に言ったことから) |
臥薪嘗胆(がしんしょうたん) | 目的のために苦労して努力を重ねること。 |
鼎の軽重を問う(かなえのけいちょうをとう) | 権力者の能力を疑い、その人物を引きずり落そうとすること。 |
画竜点睛(がりょうてんせい) | 物事を完成させるための、最後の仕上げのこと。(例)この作品は画竜点睛を欠いている。 |
邯鄲の夢(かんたんのゆめ) | 栄枯盛衰のはかなさ。 |
完璧(かんぺき) | 欠点が全くない様子。(璧は輪の形をした宝物) |
杞憂(きゆう) | 取り越し苦労のこと。 |
漁夫の利(ぎょふのり) | 当事者が争っているところに、第三者が苦労せず利益を持っていくこと。(シギとはまぐりが争っていたところを、漁夫が来て両方を捕まえた故事から) |
蛍雪の功(けいせつのこう) | 苦労して勉学に励んだその成果。 |
捲土重来(けんどちょうらい) | 一度失敗した者が勢いをつけて盛り返すこと。 |
紅一点(こういってん) | 男性の中に一人女性がいること。多くの者の中でひときわ目立っているもの。 |
呉越同舟(ごえつどうしゅう) | 敵同士が同じ場所にいること。仲が悪くても利害が一致すれば協力すること。 |
虎穴に入らずんば虎子を得ず(こけつにいらずんばこじをえず) | 危険を置かなさなければ大きな成果は得られないこと。 |
五十歩百歩(ごじっぽひゃっぽ) | 少しの差はあるものの、大した違いはなく、ほぼ同じであること。(類義語)大同小異、猿の尻笑い |
五里霧中(ごりむちゅう) | 現在の状況がわからず見通しが立たなくて困ること。 |
塞翁が馬(さいおうがうま) | 人生の幸・不幸は予測できないこと。(「人間万事が塞翁が馬」ともいう) |
先んずれば人を制す(さきんずればひとをせいす) | 他人より早く物事を始めれば、有利な立場に立てること。 |
三顧の礼(さんこのれい) | 目上の者が目下の者のところに出向いて、礼を尽くして頼ること。 |
四面楚歌(しめんそか) | 周りが敵だらけで、孤立していること。(類義語)孤立無援 |
守株(しゅしゅ) | 古い習慣を守って時に応じて物事に対処できないこと。 |
出藍の誉れ(しゅつらんのほまれ) | 弟子が師匠よりすぐれていることのたとえ。青は藍より出でて藍より青し |
食指が動く(しょくしがうごく) | 食欲がそそられること。ある物事に対して欲望が生じること。(食指は人差し指のこと) |
助長(じょちょう) | 成長や発展を助けること。ある傾向を著しくさせること。(例)不安を助長する。 |
水魚の交わり(すいぎょのまじわり) | 水と魚のように切っても切れない、親しい間柄のこと。 |
推敲(すいこう) | 文章を見直して修正すること。 |
杜撰(ずさん) | いい加減で、間違いが多いこと。 |
大器晩成(たいきばんせい) | 大人物は若い頃は目立たず、普通より遅く頭角を現すこと。 |
太公望(たいこうぼう) | 釣り好きな人。 |
他山の石(たざんのいし) | 他人の誤った言行も自分のためになること。 |
蛇足(だそく) | 余計なつけたしのこと。 |
断腸の思い(だんちょうのおもい) | ひどくつらい思い。(例)断腸の思いであきらめた。 |
竹馬の友(ちくばのとも) | 小さい頃遊んでいた、幼友達。 |
朝三暮四(ちょうさんぼし) | 目先の違いに気を取られ、結局は同じ結果になること。言葉巧みに人をだますこと |
登竜門(とうりゅうもん) | 立身出世のための関門。(竜門をさかのぼる鯉は竜になるという故事から) |
蟷螂の斧(とうろうのおの) | 力の弱い者が自分の力をかえりみず、強い者に立ち向かおうとすること。 |
怒髪天を衝く(どはつてんをつく) | 怒りのあまり髪が逆立ち、すごい形相になっていること。 |
背水の陣(はいすいのじん) | 一歩も後に引けない切羽詰まった状況、そのような状況の中で決死の覚悟で力を尽くすこと。 |
顰みに倣う(ひそみにならう) | 人のまねをすること。他人に習ってものごとをすること。 |
白眉(はくび) | たくさんの中で特にすぐれているものや人のこと。 |
覆水盆に返らず(ふくすいぼんにかえらず) | 一度してしまったことは元に戻せないこと。 |
白眼視(はくがんし) | 相手を冷たい目で見ること。 |
破竹の勢い(はちくのいきおい) | 勢いが猛烈で止められない様子。 |
矛盾(むじゅん) | つじつまが合わないこと。 |
羊頭狗肉(ようとうくにく) | 見かけは立派だが内容が伴わないこと。 |
李下に冠を正さず(りかにかんむりをたださず) | 人に疑われるようなことはするべきではないということ。(すももの木の下で冠をかぶり直すと、実を盗むのではないかと疑われることから。) |
竜頭蛇尾(りゅうとうだび) | 初めは勢いがあるが終わりの方は勢いがなくなること。 |
災い転じて福となす(わざわいてんじてふくとなす) | 災難があってもそれを逆手にとって利用すること、幸せになること。 |
【問題編】故事成語
問1 次の( )内に適切な語句を入れて、故事成語を完成させましょう。
(1) 当事者が争っているところに、第三者が苦労せず利益を持っていくこと。
→ ( )の利
漁夫
(2) 他人の誤った言行も自分のためになること。
→ ( )の石
他山
(3) 小さい頃遊んでいた、幼友達。
→( )の友
竹馬
(4) 立身出世のための関門。
→ ( )門
登竜
(5) 一歩も後に引けない切羽詰まった状況。
→ ( )の陣
背水
(6) 勢いが猛烈で止められない様子。
→ ( )の勢い
破竹
(7) 災難があってもそれを逆手にとって利用すること、幸せになること。
→ ( )転じて福となす
災い
(8) 余計なつけたしのこと。
→ ( )足
蛇
(9) 少しの差はあるものの、大した違いはなく、ほぼ同じであること。
→ ( )歩( )歩
五十・百
(10) 現在の状況がわからず見通しが立たなくて困ること。
→ 五里( )
霧中
問2 次の故事成語の意味をア~ウから最も適切なものを選びましょう。
(1) 虎穴に入らずんば虎子を得ず
ア 危険を置かなさなければ大きな成果は得られないこと。
イ 弟子が師匠よりすぐれていることのたとえ。
ウ 人生の幸・不幸は予測できないこと。
ア
(イは出藍の誉れ、ウは塞翁が馬。)
(2) 白眉
ア 人のまねをすること。
イ たくさんの中で特にすぐれているものや人のこと。
ウ 相手を冷たい目で見ること。
イ
(アは顰に倣う(ひそみにならう)、ウは白眼視。)
(3) 矛盾
ア いい加減で、間違いが多いこと。
イ 屈強であること。
ウ つじつまが合わないこと。
ウ
(アは杜撰。)
(4) 太公望
ア 乗馬が好きな人。
イ 囲碁が好きな人。
ウ 釣りが好きな人。
ウ
(5) 断腸の思い
ア ひどく辛く悲しいこと。
イ ひどく怒っていること。
ウ ひどくお腹がすいていること。
ア
(6) 蟷螂の斧
ア 他人より早く物事を始めれば、有利な立場に立てること。
イ 力の弱い者が自分の力をかえりみず、強い者に立ち向かおうとすること。
ウ 怒りのあまりすごい形相になっていること。
イ
(アは先んずれば人を制す、ウは怒髪天を衝く。)
(7) 四面楚歌
ア みんなで声をそろえること。
イ ある傾向を著しくさせること。
ウ 周りが敵だらけで、孤立していること。
ウ
(イは助長。)
(8) 守株
ア 水と魚のように切っても切れない、親しい間柄のこと。
イ 初めは勢いがあるが終わりの方は勢いがなくなること。
ウ 古い習慣を守って時に応じて物事に対処できないこと。
ウ
(アは水魚の交わり、イは竜頭蛇尾。)
(9) 杞憂
ア 文章を見直して修正すること。
イ 作品の中で最もすぐれた部分。
ウ 取り越し苦労のこと。
ウ
(アは推敲、イは圧巻。)
(10) 朝三暮四
ア 目先の違いに気を取られ、結局は同じ結果になること。
イ 一度してしまったことは元に戻せないこと。
ウ 見かけは立派だが内容が伴わないこと。
ア
(イは覆水盆に返らず、ウは羊頭狗肉。)