今回は丁寧の助動詞「ます」について学習します。「ます」の活用表、活用形、接続のしかた、「です」との使い分けに関する説明あり。練習問題で助動詞「ます」をマスターしましょう。
助動詞「ます」の意味
助動詞「ます」は丁寧の意味で、丁寧な気持ちを示したいときに使われます。文の末尾を「です・ます」にすることを「です・ます」調といい、「だ・である」調より丁寧に書きたいとき、言いたいときに利用されます。
私は英会話スクールに通っている。→ 私は英会話スクールに通っています。(「ます」を使ったほうが丁寧な言い方になる)
「ます」と「です」の使い分けは?
次の章でも触れますが、「ます」は動詞や一部の助動詞の連用形に接続します。「です」は体言、形容動詞や一部の助動詞の語幹などに、未然形は動詞にも接続します。
今日はパスタを食べます。/こちらが今日の食事です。
よく本を読みます。/趣味は読書です。
静かにします。/静かです。
食べましょう。/食べるでしょう。
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助動詞「ます」の活用表・活用形
「ます」活用表
未然形~ん・う | 連用形~た | 終止形 | 連体形~とき | 仮定形~ば | 命令形 | |
ます | ませ ましょ |
まし | ます | ます | ますれ | ませ まし |
助動詞「ます」は特殊な活用をします。各活用形を使った例を見てみましょう。
・彼は今ここにはいません。(未然形)
・私が現場に行きましょう。(未然形)
・昨年アメリカに留学していました。(連用形)
・毎週そのプールで泳いでいます。(終止形)
・連絡しますので、お待ちください。(連体形)
・承りますれば、営業部長にご昇進されたとのこと。(仮定形)
・いらっしゃいませ。(命令形)
・ご覧なさいまし。(命令形)
仮定形は話し言葉ではあまり使われません。「承りますれば」は手紙の挨拶などで使われます。
命令形は相手に丁寧に依頼したり、挨拶するときにも使われます。(「ごめんくださいませ」も挨拶で使われます。)命令形は頻繁に使われるわけではなく、尊敬語と一緒に使われます。
助動詞「ます」の接続
「ます」は動詞の連用形、動詞型活用をする助動詞(せる・させる・れる・られる・たがる)に接続します。
・ご飯を食べます。(動詞「食べる」連用形+「ます」終止形)
・毎日は走りません。(動詞「走る」連用形+「ます」未然形)
・お許しくださいませ。(動詞「くださる」連用形+「ます」命令形)
・彼の話は信じられません。(助動詞「られる」連用形+「ます」未然形)
・もう通わせません。(助動詞「せる」連用形+「ます」未然形)
命令形は尊敬語に使われる動詞とともに使われますが、「いらっしゃる・くださる・なさる」などの語は命令形「ませ」に接続すると「いらっしゃり → いらっしゃい」「くださり → ください」「なさり → なさい」のようにイ音便になります。
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【問題編】助動詞「ます」の練習問題
問1 下線部の助動詞「ます」の活用形を答えなさい。
(1) ここに座りましょう。
(2) 私はパンはあまり食べません。
(3) こちらをお読みくださいませ。
(4) 準備はできましたか。
(5) おいでくださいまし。
(6) ご迷惑になりますので、携帯・スマートフォンの電源をお切りください。
(7) 事情を察しますれば、仕方のないことと存じます。
問2 次の文を丁寧語に書き直しなさい。
(1) 新しくできたお店に行ってみた。
(2) 今夜、サッカーの試合がある。
(3) 彼に手紙を書こう。
(4) もうすぐ8時になる。
まとめ
丁寧の助動詞「ます」について見てきました。
作文や人前で発表するときなど、丁寧な言葉で伝えたいときに特に未然形・連用形・終止形は頻繁に使っていますね。連体形も使いますが、体言と合わせて使う機会があまりないようです。
仮定形もまれに使われていますが、「~ますれば」という表現は話し言葉ではあまり使われていません。
命令形は基本的に敬語とセットで使います。「いらっしゃいませ」の「ませ」も命令形です。